
今回はFDDの換装です。使用するドライブは MITSUMI製 D353M3 です。よく換装に使われているようで、改造方法の情報も多く見つかります。ベゼルは白なのですが、別途黒ベゼルの D359M3 があるのでここから拝借します。
A1FやA1WXは多くの人に使われているようで、情報が豊富と思います。そしてにがさんのWEBページではかなり細かく説明がされていて大変助かりました。ありがとうございます!
MSX FDD READY信号の考察と検証
FS-A1Fの改造 前編
それにしてもにがさんのA1Fすごい改造されていてびっくりです。すごすぎます。ここにたどり着く方はすでにご存じかもと思いますが、一度見てみることをお勧めします。それとFRAMさんのA1Fも!
FS-A1Fの機能強化基板を全面的に見直し | Framのレトロハードメンテナンス記録
たしかにこの機種、前にフロッピーがあるためかCPUの周辺、キーボードの下に結構空間があるように思います。こんなにコンパクトなのに。Z80もDIP40が使われているので改造しやすい?こんなに可能性のある機種だったとは…。
さてFDD換装の話に戻りまして、このPC用のFDDをMSXで使えるようにする改造方法としてダイオード1つ使う方法にしました。のちのち必要になってきたら74HC32を使った改造を試みてみたいと思います。と、いうことで作業した結果がこれです。シルク印刷の2と34が2列の端子の下の方に書かれているので写真で下の方のパターンをカットしてそこにREADY信号もどきを配線してしまいました。実際はそれは33ピンで間違えです。途中でそれに気づき修正。パターンカットした33pinはどこにも配線されていないので放置しました。

上の写真で赤マジックで書いたように上の列が偶数ピン。下の列が奇数ピンです。偶数ピンはほぼGNDなのでパターンをよく見れば分かったはずでした。
34ピン付近の赤い部分でパターンカット。ここで使ったダイオードは1N4148

DRIVE SELECT信号を12pinから10pinに移動。赤いところでカットしてパターンのレジストを削り取り、そこから10pinにはんだ付け。実はこの変更は後でやりました。A1WXのほうはすでに(どのように配線したのか覚えていない程度に昔に)換装済みでそちらが10pinに変更していたのでそれに合わせました。

ケーブルの変換基板を作成

最後に2HDの検出スイッチをつぶして2DD専用にします。基板が反対を向いている(赤い丸)ので裏のカバーを外して(ねじ3つ)スイッチの両端をショートさせ常に押されているかのようにします。※注意:ドライブ壊れるかも!壊れます。

後で気が付いたことですがおそらくこれが原因でこのドライブはまともに使えなくなってしまいました。
この3つのネジを外すと下のようになっています。金属製のカバー、基板とともにメインのモーターが外れます。これで2HD検出スイッチは容易にショートさせられるのですが、モーターを本体から外してしまったことによっておそらく回転の中心とヘッドの軸がずれます(ヘッドは写真の矢印のあたり)。ネジ3つ使って止めてありますが、遊びはあるのでぴったり位置が決まりません。実際にずらしてネジを締めると全く読み書きできないとき、ディレクトリは見られるけどコピー中にエラー、あるいは720KBのうち半分くらいまでは何とか読みこんでいるけどそこから後はエラーがでてしまう。などの現象が出ます。このドライブでフォーマットしたディスクがPCにつないでいる無改造のドライブで読み書きできないこともあれば途中まで書き込めるものが出来たりという困った状況になります。このふたは開けないほうがいいです! <--カラーにしたい

アライメントがずれてしまうということなのかなと思います。きっちり合わせるための治具やオシロスコープで波形を測定する方法やそのためのデータの書かれたディスクが本来はあるのかもしれませんが持ち合わせていないので事実上これは”壊してしまった!”わけです。やってしまいました。思い返すとこの3つのネジはとてもキツクしまっていました。開けてくれるなよということだったのでしょう。シクシク
しかし、当初そんなことも知らず、一通り準備ができたので実機での動作確認を始めます。無事MSX-DOSの起動を確認。読み書きもできているようです。フォーマットも成功。そしてフロッピーのゲームディスクから起動してみると・・・あれ、エラー?起動途中で止まってしまいました。
何かがいけないようです。A1WXやPCですでに使っているディスクを入れたり、新しくこのドライブでフォーマットしたディスクをPC側でも使ってみたりしてみましたがどうやらうまく動いていないことが判明しました。
FDC(TC8566FからTC8566AF)を載せ替えたこともあり、ドライブとFDC側、そして変換ケーブルのどれが問題か切り分けるためにこの改造ドライブをA1WXに接続してみることにしました。が、さっぱり動きません。実はこの時点ではDRIVE SELECT信号は12pinになっていて(無改造)A1WXでは10pinに来るようにケーブルが作られていました。
それに気づかず、それではA1WXのドライブをA1Fにつけたらちゃんと動くはず。しかし同じ理由でDRIVE SELECTが12pinになってないので動きませんでした。そしてこのドライブとっかえひっかえしているときにショートさせてしまったのかA1Fが起動しなくなってしまいました。正確にはMSXロゴの消えた後ハング。青い画面のままになりました。
その後A1WX側のケーブルを調べ、DRIVE SELECTの件に気が付き、ドライブ側を修正。A1WXに再度接続すると今度は動作しました。読み書きが不安定であることは上述のとおりです。ここでこれまでにやったことを思い返し、先ほどのカバーを外したときにモーターもくっついてきていたことに思い当たった次第です。やってしまった!何度もカバー兼モーターの位置を調整し、最終的にはPCでフォーマットしたディスクにデータを読み書きしてエラーがとりあえず出なかったところでギブアップ。追い込む方法がないので。
ゲームやA1WXで使えているディスクを読み込むとエラーが出てしまうものがありまだまだズレがある状況です。これは使い物にならないので同じD353M3が手に入ったら改造基板だけ使いまわすことにします。とはいえしばらく手に入らないだろうから、それまではこのA1F専用ディスク(他では使えない)として数枚確保し使うことにします。
原因が判明しとりあえずA1Fにつなぎなおしましたが、直近の動作と同じく青い画面でハングします。あーこれはFDCを壊してしまった。ダブルパンチです。しかし万が一と思って2つ買っていたTC8566AFの残りの1つに付け替えることにしました。前回より手際よく剥がしてはんだ付けできました。
早速ドライブを接続して読み書きのテスト。不安定さはA1WXで確認したときと同程度。MSX-FANの付録ディスクを起動してみます。一応起動できました。

というわけでFDD換装はドライブを壊してしまったので失敗してしまいました。Completeするのは代わりのドライブを入手するまでお預けになります。
(つづく)